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地域のためにできること

【プロフィール】

和泉 恵(いずみ めぐみ)さん

奥出雲町出身

有限会社キャロットハウス創業33年。

高校卒業後、関西の高級スーパーマーケットに就職。2年後に奥出雲町へUターンし、ショッピングセンターで8年勤務したのち、「キャロットハウス」を29歳の時に起業。生鮮食品も揃うコンビニを26年間経営。その後、事業内容を変更し、奥出雲の食材を活かした手作り惣菜の店「奥出雲屋」をオープン。

 

【この仕事をはじめたきっかけを教えてください】

29歳の時に竹下登元首相の「自ら考え自ら行う地域づくり事業(ふるさと創生1億円事業)」が実施されました。この政策に心を打たれ、「私も地域のために何かしなければ」という思いに駆られました。

まだ県内でも目新しかったコンビニを見学した時、入れ替わり立ち代わり多くのお客さんが出入りする光景に衝撃を受け、都市部と奥出雲の人の生活格差を自分の事業で少しでも無くしたいとコンビニエンスストア「キャロットハウス」を創業しました。

開店から予測を上回るお客様にご利用頂き、一日36時間欲しいと思うほど働きました。山間の売り場でも年間イベントを地域のお客様と楽しみたいと「節分恵方巻」や「ケーキバイキング」、「ヴォジョレー・ヌーヴォーフェア」、「クリスマスバイキング」など賑わいを企画しました。その後、生産年齢人口の減少やコンビニの複数進出、また十年程前には大手コンビニやドラッグストアの出店において一つの役割を果たしたと思い、H27年1月にコンビニ事業に終止符を打ちました。そして同年9月に、コンビニ キャロットハウスで支持があった「惣菜」の経験をいかして地産地消の手作り惣菜・弁当の「奥出雲屋」をオープンしました。

奥出雲町の大事な産業である生産農家さんや畜産農家さんを応援したい思いから奥出雲の食材を活かした「奥出雲バーガー」や「炎の牛めし」の商品開発をしました。町内のお客様を始め奥出雲町ファンのお客様のお陰で、奥出雲町をアピールする商品に成長させて頂いたことは、起業時の一つの想いの実現であり喜びです。

そして、この一連の経験実績から国の戦略である「食のプロデューサー」について一年受講し、昨年「レベル3」認定を頂きました。今、全国からの受講生に米飯業など創業支援をリモートで行うことがあります。成功も失敗も経験に基づいてお話し、情熱や覚悟についてお伝えしています。「食のプロデューサー・レベル3」は和泉恵の見える化でもあります。

【事業をされてきた中で印象に残っていることはありますか?】

コンビニ キャロットハウスを閉店する際に町内の飲食店に声を掛けて「奥出雲弁当大会」を開催したことです。普段、敷居の高い老舗旅館の弁当を1個から軒並み選んで買える、イニシアティブをお客様が持ち、「デパ地下の食品売り場」をイメージした企画で、消費者と事業主を近づけたい思いがありました。「奥出雲の食」は魅力があり、閉店企画に驚きのイベントとなり、本当に多くのお客様が詰め掛け、1万円札を手にもの凄い賑わいでした。新聞社の前日取材では「1000円の弁当なんかこの閑散期に誰が買うのですか?!」と半信半疑でしたが、一日目は白黒。二日目はカラー写真で二日間記事になり、記者さんも驚く状況になりました(笑)

【これからの目標などはありますか?】

事業計画には社会の求めに値するか、例えば3年先の市場予想と合うかなど考えます。特にこのコロナ禍が落ち着いて社会が大きく変わろうとしている今は過去に類がない程の仮説・予測・創造が必要です。

そんな中、今年の2月、町内の観光業の活性化のために動き出した知り合いの方が退職の挨拶に来られました。この状況での起業の話は気掛かりなことばかりでした・・・。無防備な情熱に駆られた若き日の私に共通した想いに、今の私に出来る応援の形は無いものかと考えました。そして畑違いの観光業界のことを学び、どうせ勉強するならと資格取得に挑戦することにしました。その後、開くテキストは膨大な量で、何度もあきらめそうになる中、気が付いたことがありました。一昨年、受講した「食の6次産業化プロデューサー」です。食材を商品化することでその生産地域をも活性する事が出来ます。無謀な挑戦は何の役にもならないかも知れないと自暴自棄になりそうな私に力が湧いたのは、「食のプロデュース」も「観光商品開発」も同じ原理だということ。

過去の観光旅行とは変わりお金と時間がある人に限らず、ポストコロナの時代になると多種多様な年齢も人種も関係なく各々が求める場所を探す。それは以前とは少し違う。奥出雲町にあるモノ全てを活かす時が来ています。それは以前からの観光地や観光施設はもとより、山や川、この風景全て。語り部の人やレクリエーションを知る人、料理やモノ作りや創作などあらゆるクリエーター、体験施設などなどこの町すべてを観光資源になる要素です。

そんな奥出雲町の新たな時代の一歩を描くことを原動力に机に向かい続け、この度「国内旅行業務取扱管理者」の合格証を受け取ることが出来ました。

全部の素材を活かした旅行商品にするためにはまだまだ様々な手段が必要ですが、この奥出雲町を持続させるには基幹産業である観光業の発展が必要だと思います。地域の主人公である一人ひとりのスキル向上も重要になると思います。魅力ある奥出雲町や奥出雲町ファンを増やしていくために観光業の「仕組みづくり」・「人づくり」・「場所づくり」もしていきたいと考えています。

奥出雲屋では炎の牛めしや奥出雲バーガー、ロングラン人気の「から揚げ玉」を用意しております。

定番弁当にはサービスでお味噌汁がついてきます。

ぜひ一度食べに来てみてください!

奥出雲屋

〒699-1832 島根県仁多郡奥出雲町町下横田89−4

0854-52-2468

 

 


2021.11.10

和泉 恵さん

取材:安達知寛

今回は奥出雲屋の和泉さんにお話をお伺いしました。 和泉さんの地域の発展のために自分には何ができるのかという熱い想いが伝わってきました。 炎の牛めしをはじめ奥出雲バーガーやお総菜などとてもおいしいので皆さんもぜひ味わってみてください!

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