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自然に委ねる天然醸造醤油づくり

こんにちは。 町外マガジンライターのみしましょうこです。 今回は、「井上醤油店」を取材してきました。

奥出雲町にある老舗醤油店の「井上醤油店」。
創業、1867年。国産丸大豆・小麦を使用し、合成添加物不使用にこだわりって作っておられます。 全国と海外に商品を販売していて、インターネットでも購入できます。
醤油の他に、おもちと味噌も販売されています。埼玉に出店している奥出雲の食材を味わえるお店「奥出雲玄米食堂 井上」の調味料にも使われています。



井上醤油店 代表 井上裕義さん

井上醤油店代表取締役社長の井上裕義さんにお話を聞かせていただきました。井上醤油店の醤油は天然醸造です。天然醸造という作り方は、自然に委ねてモロミを発酵熟成させる方法です。
天然醸造では、熟成していく様子を見てじっくり待つので、やはり時間がかかってしまうそうです。
「発酵にはどのくらいかかるんですか?」「ふた夏です」。たっぷりと時間をかけてつくった醤油ってどんな味なんだろう。
「時間をかけず、大量生産で安く低価格な商品を生み出しても、自分たちの存在意義がない。天然醸造で作ることにこだわりをもっているんです。」と話されました。
全国に商品を置いているってすごいなぁと思い、「醤油を置いてもらうために、営業されたんですか?」と伺うと、「30年以上前に東京や大阪に営業へ行きました。東京という中心地に商品を売り込むことで、外へ広がるんです」。
そして経営のお話になり、「自分たちの商品や特産品って、自分たちが思っている以上に知られていないんですよね。知ってもらう努力が必要だと思います」。たしかに県外に出て、地元の食べ物が知られていなかった経験は何度もあります。井上さんのお話を聞いて、自分の生まれ育った街の環境や商品などを大事にしたいと思いました。

醤油作りの実際の現場に案内していただきました。建物の入り口から醤油の香りがします。「いい香り!」と声が出ました。光分析と呼ばれる方法で調べたところ、醤油には300種類以上の芳香成分があるのだそうです。
醸造している蔵に入ると、シンとした不思議な雰囲気で、すごく息がしやすいです。ここで蔵に住み着いた蔵着き酵母の力で発酵するのをじっと待ちます。その中は、微生物とその風土が造り上げた静寂な空間が存在しており、まるで森林浴にいったような心地よい呼吸ができます。
発酵が進むと樽の中がぽこぽこと「息をする」のだそうです。微生物が生きているのを想像しました。発酵した後は、少しずつ絞られていきます。出来上がった商品は、保管用の倉庫で保管されます。井上醤油店の商品は、大切に作られて全国へ出荷されています。

↑井上古式じょうゆ 定番の濃口醤油です。まろやかでさっぱりとした旨味。煮物つけ醤油に、香りと風味が豊かです。

「醤油作りをいろんな面から観るとおもしろいんですよ」と井上さんは笑顔で言います。広い視野で物事を見ると、自分のいる世界はもっと楽しくなるのかもしれないと思いました。

天然醸造の井上醤油店のお醤油を味わってみてはいかがでしょうか。

<井上醤油店>
島根県仁多郡奥出雲町下阿井1430-2
0854-56-0390
HPはこちら

http://inoue-shoyu.jp/

紀ノ国屋、高島屋、博多大丸、三浦屋、明治屋ストア、クイーンズ伊勢丹、  阪急百貨店、フレスタ、リンコス、DEAN&DELUCA、広島福屋などで購入できます。

ネットストアはこちら

http://shop.inoue-shoyu.jp/

今回「奥出雲町まち・ひと・しごとセンター奥サポ」の磯田さんに、奥出雲町を案内していただきました。
移住・定住のご相談は奥サポへ!!

取材・文/みしましょうこ


2018.12.12

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