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在来種のそばの香りに誘われて

こんにちは♪
移住・定住コーディネーターの磯田です。

今回は、横田にある『姫のそば ゆかり庵』の山中将道さんに
蕎麦づくりへの思いと奥出雲へIターンしたきっかけなどをお聞きしました。

プロフィール
山中 将道(やまなかまさみち)
東京都出身。中学から広島へ移住する。
大学時代は高知で過ごし、就職を期に広島へ戻る。
営業職で、日本全国を周っているうちに、その土地ならではの
そばの在来種に興味を持つようになる。

―奥出雲でそば打ちになろうと思ったきっかけはなんですか?
全国で在来種のおいしいそばを食べていたとき、奥出雲町の横田小そばか新潟の妙高在来小そばの
どちらかに将来関わりたいなと思いました。
味の濃厚さ、香り、甘みの強さが全然違うからです。

奥出雲は二時間半くらいで来れるので、時々来て町内のそば屋巡りをしていました。
そば栽培から製粉という生産から提供まで関わった仕事がしたい思いがふくらみ、在来種の横田小そばを栽培している姫のそばゆかり庵で働きご縁があって姫のそばゆかり庵を継承することになりました。


「そばを打っているときがいちばん楽しいんです。在来種の香りが、ふわぁ~っと広がってきます。」

―姫のそばゆかり庵はどんなお店ですか?
スサノオノミコトの妻である稲田姫(クシナダヒメ)をまつる“稲田神社”の社務所の中にお店があります。これは全国でもとても珍しいです。
10年前この場所は、参拝される方が非常に少なく雑草が生えひどい状態でした。
しかし、小林徳一郎さんが建立されたこの神社と社務所には素敵なお庭があり、この空間を活かせないか?ということになり社務所内でそば屋をやることを千家さまに了承いただき、たくさんの人の協力のもと、ゆかり庵が誕生しました。神社管理も日課のひとつです。

-この仕事のおもしろいところ、やりがいなどをおしえてください
「ゆかり庵の畑では、そばの他にブルーベリーや野菜、お米なども作っています。
育てるのはとても大変だけど、どうやって育ってどう出荷されるか、育ちの過程を知れることがおもしろいです。
お店で出すおむすびのお米も自分たちで育て、野菜は地のものを使うようにしています。」

―奥出雲に移住してよかったところはどんなところですか?
「僕はとても肌が弱く、東京にいた時は排気ガスなどの悪い空気で苦しくなるぐらい、とても弱い体でした。
しかし、奥出雲に来てから肌の調子がよくなったんです。自然に囲まれた土地で空気がきれいだから、健やかな体になりました。」
「冬は寒く、雪が積もる。それからスーパーの閉まる時間が早いですよね。でも、そのおかげでいい意味でアナログな人間になれました。
自分が町の時間に合わせれば、とっても健康的です。“住めば都”ですね。」

-おすすめのメニューは何ですか?
『横田小そばのそば御膳』です。

奥出雲・横田地方で昔から育てられていた在来種『横田小そば』を使用しています。
一般的なそばの実より小さく、香りが高い。収穫量が少なく、とても貴重なそばです。
「小そばがなければ、ゆかり庵はこんなにたくさんの人が来ていないだろう」と山中さんはおっしゃいます。
そのくらい魅力的なそばなんですね。
私もいただきましたが、本当に美味しかったです!

この御膳には、やさしい味の煮しめがついてきます。
「こういった“昔からの田舎料理”も出していきたい。
田舎ながらの生き方を伝えていきたいという思いが強いので、おばあちゃんの食事を子や孫に伝えるような料理を出したいんです。」

「肉は出さず、地産地消で、奥出雲のものをお客さんに楽しんでもらいたい。
そして、みなさんの第二のふるさとになるような場所にしたいです。」と山中さんはおっしゃられました。

 

姫のそばゆかり庵は、山中さんの奥さんもいっしょにお料理を作っておられます。
なんと奥さんのお名前も「ゆかり」さんなんです。とっても素敵なご夫婦なんですよ。

在来種“横田小そば”とこだわりの田舎料理を味わいに、姫のそばゆかり庵へ足を運んでみてはいかがですか?
奥出雲の名所、稲田神社で、ゆっくりと過ぎる時間と奥出雲自慢のおそばを楽しむのも奥出雲ツウです。

<姫のそばゆかり庵>
奥出雲町稲原2128-1 稲田神社境内
TEL:0854-52-2560

 


2019.02.18

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